フランスオートクチュール刺繍

刺繍文化は、古代から文明とともに存在し、世界の王朝文化や宗教芸術を担う一つの技法でした。荘厳で華麗な、そして時に清楚に装身具を彩る刺繍は、長い年月を重ねて、今日まで続く芸術文化です。フランスは王朝文化とともに歩んだ刺繍芸術も、19世紀の機械化に始まり、2度の世界大戦と工業化で下火となりますが、パリのファッション業界、そしてメゾンの活躍により見事に復活。再び花開きます。こうしてパリには現在でも、高級メゾンを支える重要でかつ貴重な技術を継承した刺繍アトリエがいくつも存在するのです。 正式名称「リュネビル刺繍」とよばれる、フランスオートクチュール刺繍は、1810年フランス北東部のリュネビルで誕生しました。ビーズやスパンコール、ビジュウをふんだんに使用したデコラティブな作品を仕上げるのに適した技法が特徴です。しかしその一方で、布地や刺繍糸の素材感を生かした、平面的なあるいは立体感のある可憐な作品も手がけることができます。刺繍した部分を布地から切り取り、ブローチに組み立てたり、ペンダントトップに仕上げることも可能です。
近年、コレクションの度に華やかさを増すメゾン刺繍技法も楽しみの一つです。